ニュー裏モノ探検隊:一風堂

日本フーゾク。たいちょうのひとりごと

ソープ嬢と店外デートと危険ドラッグ

※HP過去記事です。

※当時の時代背景にご留意ください。

 

少しデリケートな問題になる。

先に言い訳をさせてもらうとこの話はマスコミで盛んに取り上げられてた『危険ドラッグ』とか『違法ドラッグ』とかいう言葉すらなかった、『合法ドラッグ』の時代の話である。
そんなものが街の大人のおもちゃ屋さんのレジの横に普通に置いてある時代だ。
マジックマシュルームが新宿駅前の露天で堂々と売られている。


またはそんな存在すら普通の人は知らなかった時代の話である事を留意ください。





まったくぼくが必要以上に仲良くなる風俗嬢はぶっ壊れたヤツが多い。
その嬢はソープ嬢でアルバイト感覚で働いていて顔は正直お世辞にも可愛いとも綺麗とも言えないのですが脱ぐと全身に刺青があった。シャレオツなファッションタトゥーなんてかわいいもんじゃなくて何と言うか色即是空な雰囲気なモノホンの刺青だった。ぼくがベッドに座り、彼女がフェラをするのを上から見下ろすと般若のような像が俺を睨んでいてそれにぼくは異常に興奮していた。


プレイ中もほとんど彼女の顔すら見ずにひたすら彼女の和彫りを見つめていた。

その刺青からは『覚悟』を感じる。彼女の覚悟だ。でもそれが彼女の一部となった経緯については多くは聞かなかった。


脱いだ彼女は美しかった。とにかく美しさを放っていた。少なくともその彫り物は彼女の魅力を120%引き出していたと思う。
ストリップにスカウトされた事があると言っていたがそれも納得できる。
あの全身の刺青がスポットライトを浴びたらさぞかし美しかろうと思う。


と、まぁこのソープ嬢はとにかくアナーキーというかアウトローというかモラトリアムというか良い感じにぶっ飛んでいました。


1.毎晩オナニーするのが日課。
2.電マが嫌いな女なんか居ない、と言い切る。
3.休日はハーレーに乗る。
4.過去に大型ダンプを転がしていた。
5.ハプニングバーによく1人で行く。
6.全身刺青で女王様な雰囲気なのにドM。
7.ソープ嬢なのにフェラしただけでヌレヌレになる。
8.ソープ嬢なのに本気でイく。(イこうとする)

そんなこんなでいっぺんに彼女が好きになったぼくは再び彼女を指名した。


「変わってんね、○○くん。私をまた指名したいと思うなんて」嬢
そう言いながら(たぶん彼女なりの照れ隠し)プレイはより濃厚になっていました。「どうする入れよか?」
彼女はそう言うとぼくに跨り腰を沈めた。『えっ(>_<)』ナマで入れちゃったよ。指名すると彼女はナマでするんだ。。
しかしなぁ。
全身刺青はともかくとして(肝炎的に)ハプバーに1人で行くような子とナマでしてしまってええんかいな。

と、思いつつもう入っちゃってるし上でえらい動いてるしグッチャグッチャ音がして濡れ続けているのでぼくも長持ちした。
「いきそう」と彼女が言ったので、ぼくも射精した。彼女はそのまま倒れこみ、その背中に手を回すと物凄い鳥肌が立っていた。その直後に汗が噴出し彼女の身体はベタベタになり一気に冷たくなった。部屋に汗の匂いがする。
「嘘?うそ?同時にいったの?」
彼女は凄くびっくりしていた。なぜだかその時はコントロールできたのだ。
ちなみに彼女自身が気持ち良いように動いていたのでね、騎乗位で密着させてクリトリスをこすり付ける感じに。ぼくはそんなに気持ちよくなかったんですけどね。

その日は一貫して彼女はフレンドリーでした。

帰る5分前くらいかなぁ。
イマイチいきさつはよく覚えてないんだけど彼女が上がる後でご飯を一緒に食べる事になった。

「10分で行くから」と彼女は言い、待ち合わせ場所を決めた。
駅の近くに待ち合わせてぼくは駐車場でぼんやりしていた。


ホントに来るんかな。。


するとそこに真っ黒なBMWが入ってきてそこに彼女が乗っていた。
車から降りてきた彼女は驚くほど普通な格好でポロシャツにジーンズにランニングシューズを履いていた。

『こんなにブスだっけ?』

失礼ながら本気でそう思った。

そのぐらい彼女は刺青が隠れるとオーラが消えてしまうのだ。

「Hな事は無しだからね」と、彼女は釘を刺す。

あのな。。
外に誘ったのはオメーじゃねぇか。

ちゅーかさっきナマで2回も抜かれて何も残ってへんわい。

「お店の人にバレたら、あたしクビだし。お客と店外で会うのはご法度だもん」

いやだからオメーが店外へ誘ったんやんけ。。

まぁこんな感じでね。実はぼくはそれほど乗り気じゃなかったんです。
元々抜いたらさっさと帰りたいタイプなんですよぼくは。(最低やなお前は)

人波のなか、彼女と並んで歩く。彼女の本名はカズミと言った。
ホント言うとぼくだってこんなところを誰かにうっかり見られたらやばいのだ。
さっさと食べて帰ろう。
カズミのオススメのラーメン屋に入る。正直何の味かもようわからんかった。
そのまま帰るのもナンですし。という事で喫茶店でお茶して帰る事に。

(カズミは煙草が吸いたそうだった)


ここでしばらく話した。


5年前に九州から出てきた事や弟とマンションで暮らしている事や。
夢がある事。
弟の就職が決まったからもうすぐ1人暮らしになる事。
犬が2匹居る。
知人に50万貸して逃げられた事が2回ある。(そのうちの1回は店の客に貸した)カズミの話は面白くてそこかしこに訳ありな雰囲気もあった。とにかく人として魅力がある。生き方は少々下手そうだけども。

「アタシ、ほぼ毎晩オナニーするじゃない?ソープで働くのもたまにはセックスしたいだけだしね。それでこないだオナニーする前に大人のおもちゃ屋で売ってるヘンな紙巻タバコみたいなの吸ったらすごい良かったの」
「マリファナみたいなモン?」
「よくわかんないけどフアンフアンして」
「昔、大人のおもちゃ屋の吸ってみたけど全然ダメだったけどね」
「アタシには効いたけどねー」
「ふーん」

そんなこんなで電話番号とメルアドを交換して帰る事に。
カズミはラーメン屋と喫茶店の両方とも頑としてぼくに支払いをさせなかった。ラーメン屋の時には「絶対に払わせない」と言ってぼくを制し万札をレジに置いた。

男前やなぁ。

ていうかそれ、ぼくがさっきソープでキミに払った万札やんけ。狭い世界で経済は回っとるもんよのう。(特殊な例だぞ)

カズミはぼくの車の駐車場代まで払おうとしたので「それだけはカンベンしてくれ」と言って自分で払った。これじゃまるでヒモになったみたいじゃないか。


「またお店に行くね」

ぼくはそう言ってカズミと別れた。

帰り道で、ぼくは同じように、『ありがとう楽しかった、またお店に行くね」とメールのやり取りをした。

店外で一緒にご飯を食べた。電話番号もメルアドも交換した。
たぶん、お互い『基本オナニスト』なので波長が合ったのだろう。

でもぼくらが会うべき場所はやはりあのお店の彼女で源氏名のミナミであるべきだと思う。その先にはこれといって展望は何も見えない以上は、、

 



地元に戻るとコンビニの隣に薄明かりと派手な看板のちぐはぐなお店が目にとまった。

『アダルトグッズ』

看板にはそう書いてある。


『風俗嬢は俺にロクな事を教えない。』

これはここまでの人生で痛感している事だ。
何と言うのかな?やっぱ彼女らとぼくらとでは住む世界や見えている景色がほんのちょっとだけズレがあるのだ。それを踏まえてお店に入る。

なんと!

階段を上がった先にお店はあるのだがその階段の下にカズミの言っていた例のモノが自販機で売っていたのだ。
それは5種類くらいあってコンドームの自販機みたいなボックスに並んでいた。
色んな種類があるがどうせ中身は似たり寄ったりだろう。一番右に『お試し1本』みたいなものが500円で売っていたのでそのボタンを押してみた。ゴトンゴトンゴトン。


その箱は車に入れたままで数日間忘れてしまっていた。


後日、箱を開けてみると粗末な紙に巻いたタバコのようなモノが2本入っていた。

『なんじゃこりゃ』


第一印象はこんなモンだった。
中を開けてみると雑草を枯らしたようなモノが入っている。効くかよ、こんなモン。
数年前にやってみたアダルトグッズの方がまだマシに思えた。

とりあえず巻紙は使わずにパイプに詰めて火を着けて吸い込んでみる。フー。もう1回吸い込んでみる。フー。さらに詰めて吸い込んでもう1回。フー。(この時あり得ないぐらいの煙が口から出てきた)



ガクン。



突然目の前の視界がグルグル回り始めた。


ヤッベ。これホンモノじゃねーか。


たぶんだけどタバコも吸わないぼくにはこの時吸い込んだ量が少々厄介なほど多かったんだと思う。完全なODだ。座ってられなくなったぼくは部屋で横になった。ヤバイ、グルグル回る。目を閉じると状況はさらに悪化する。効くのはせいぜい2、3分だと自分に言い聞かせてやり過ごそうと思うが何やら時間軸が狂っていて1分が果てしなく長く感じる。コメカミがズキズキと痛む。いや違うこれはぼく自身が歯を食いしばりすぎて痛むのだ。舐めすぎていたためロクなセッティングもしてなかった事もあり相当なパニックを起こしたぼくはアスピリンを飲み込んだ。
しかしそれでも一向に効かない事にさらにパニックを起こし、さらにアスピリンを飲みこんだ。それを4度繰り返し、胃薬も3回ほど飲んだ。

たぶん1分もかからないあいだに、だ。

異常に喉が渇いてそこらにある飲み物を一気に飲み干したい衝動に駆られる。酒は一滴も飲めないが目の前にある友人の置いて行ったウイスキーの瓶を口を付けて一気に飲み干したい衝動を抑える。

それは死ぬ。確実に死ぬ。

水道水をガバガバと飲む。
水を飲んで薄めて、もしくは吐き出してしまえば戻ると思えた。
肺から吸い込んでるのだから胃から吐いても仕方がない事ぐらいは今なら分かるのだが冷静な判断が出来ない。必死に吐こうと思うが凄いスピードで水分を吸収するのか吐けない。水を飲む。とにかく飲む。経験上、というほどでもないが水分を沢山取って小便をするのが一番身体から毒を出せる。(とにかく渇いていたのもある)


しかし事態は一向に好転しなかった。

静かに横になる。このままでは無駄な体力を消耗してしまう。

だが悪い事にそこから『死ぬ』という事がぼくを支配してしまった。(さっきのウイスキー飲んだら死ぬというイメージからかも)手足は異常なまでに冷たくなり全身を寒気が襲った。いよいよヤバイ。

『今日、俺は死ぬのだ』

そう思った、というかそう信じ込んでいた。

『こんな風に死ぬとはね』

冷静に受け入れようとする自分が恐ろしい。

『死ぬのを待つくらいなら自ら決着をつけた方が良いのではないのか?』

と、頭をよぎる。これが自殺念慮というやつか。

もしかしたらこんな風に考えて飛び降りてしまう人がいるのかもしれない。あのソープ嬢はこの状態でオナニーするってアタマおかしいんじゃないか?でも何かに没頭して時間をやり過ごすのも1つの手かもしれない。とにかく『舐めてた、』のひと言に尽きる。

遠くで救急車の音が聞こえる。誰だ?救急車を呼んだヤツは。もしかしたら俺かもしれんな。合ドラだし本当に救急車を呼べば良いように思えたが生きて恥を晒すよりは死んだ方がマシだろう。こんな死に方も俺らしくて良いような気すらしていた。



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1時間ほど経った頃だろうか。(もしかしたらもっと短い時間かも)やや、肉体と精神のコントロールが出来るようになってきている気がしていた。すさまじい尿意を感じたがトイレのある場所まで行ける気がしない。迷わずそばにあったペットボトルに放尿した。ありえない勢いで放尿は続いた。小便ができた事でより落ち着いたのでまた横になる。暗いな。この部屋の明かりはこんなに暗かったっけ?

天井の角を見てから違う場所に視線をズラす。
天井の角を見てから違う場所に視線をズラす。
それを繰り返すとピントがやや合うようになってきた。

『薄まってきているな、、』

そんな実感がして安心できた。
試しにテレビをつけてみる。
大御所女性お笑い芸人が司会する番組がやっていてその女性芸人の発するひと言ひと言が鼻についた。


オナニーもしてみたけど全然良くはなかった。作用は3時間ぐらい続いたように思う。


残念ながら良い事は何も無かった。


最近これの中毒者とかよく記事を見たりするけどそれこそアタマおかしくないか?まぁぼくのまがい物(?)と違って良い事もあるモノなのかもしれんけどね。



。。。。。。。。。。。。



ソープ嬢よ、確かに効いたよ。悪かったよ、小バカにしちゃって。
でもアカンで。これはアカンで。

そして今や違法になったこんなクソみたいなモンで捕まって人生狂わすのはもっとアカンで。

ぼくは数時間後に、残っていた合ドラを憎しみと共に焼却炉に投げ込んだ。こいつはハーブか何かに解析できない何らかの薬品が染み込ませてあるに違いない。


それが何なのか分からないのが恐ろしいところだと思います。






その後、そのソープ嬢のカズミとの関係はお店に行ったりもしたし野暮用でぼくの仕事先まで来てくれたりもしましたが、ある日、やはりこれ以上彼女に深入りしてはいかんと思いまして、お店に行くのも連絡を取るのもやめました。
※本心を言うと本気で好きになっていまいそうだったから。
カズミには『店なんか来なくても私が休みの日に会えばいいじゃん』と言われていました。※深入りして自分が傷つく前に逃げたというのが正解。



久しぶりにきたメールでは、前に話した『夢を叶える為に借金して起業するからお店をやめる』というような事が書いてありましたが十数年経った今現在、どうしているかは定かではありません。すこし危うそうな夢でしたがどうかな。でも彼女の事だからおそらく、現実との折り合いを付けながらも図太く生き残ってくれているはずだ、と思うし、そう信じたいのです。









色々とボカしながら書きましたし語りきれなかった事があまりにも多かったですが、
最後まで読んでくれてありがとうございました。

      
もし、不快に感じた方がおられましたら大変に恐縮です。   (了)

 

 

2023年追記:

いや、作り話ですよ全部(*´ω`*)

もし体験談だと思ったらそれはぼくのテクニックです。(あるんか?)

カズミはですね、本当にハートがアツい子でした。東日本大震災があった時はドラッグストアを回り、お菓子やカップ麺を買い込んで黒いBMにパンパンに詰め込んでそれを届けに東北へ走りました。『自分の車は燃費が悪いから』と言ってガソリンを別のタンクに詰めて。思えばこの頃からぼくは刺青嬢が好きになったような気がします。

 

本当に彼女が今、幸せだったら良いと思う。

 

まぁ作り話なんですけどね(*´ω`*)

 

 

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